ほんしゅ堂のブログ

東京都練馬区にある酒屋の店主ブログです。

上原酒造さんへ行ってきました。

皆さん、こんにちはー。

フィギア女子が終わり、オリンピック終盤に入りましたが、金メダルラッシュで盛り上がっている頃、まだ雪の舞う滋賀県へ。

『不老泉』でお馴染み、上原酒造さんにお邪魔して、お酒造りの手伝いをしてきました。

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手伝いと言っても、私はおミソみたいなもんですが、、(汗)

今年も楽しく働かせていただきました。

今回は、すべて手造りで『不老泉』を醸す蔵人の一日を紹介。蔵の仕事に興味ある方は是非ご覧ください。

ただ、精米など時期的に終わってしまった作業や、分業の関係で紹介できない作業もありますので、あくまでも参考と言うことで、よろしくお願いします。

以下、時間はおおよそ目安です。

5:30 会所場(かいしょば)と言う、蔵人が休憩や食事をとる部屋に集合。

杜氏さんの掛け声で仕事開始!

まずは、麹の切り返し盛りをします。具体的には、前日、麹室(こうじむろ)に引き込んだ蒸米をばらして麹蓋へ盛る作業です。

ただ、麹の状態によって作業を遅らせる場合があり。タイミングは杜氏さんの指示に従います。

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6:00 酒母、醪(もろみ)の櫂入れ、分析用のサンプル取り、検温などをします。
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同時に、釜屋さんは大きな木甑(きごしき)にお米を張り込んで蒸す準備をします。 f:id:honshudo:20180223150655j:plain:w427

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7:00 お米を蒸している間に朝食。粕汁を飲むと体が温まります。

8:00 蒸しあがったお米を甑から取り出します。
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粗熱をとったあと、麹用のお米は製麹室へ持って行き、掛米用はそのまま醪タンクの中へ投入します。

終わると、大量の洗い物が出るので、片付け。

因みに、水はすべて下水処理されたあと琵琶湖に流れるため、洗剤は一切使いません。束子で汚れを落とし、水で流したあと熱湯で殺菌処理が基本です。

日によって、このタイミングで醪を搾る上槽があります。 具体的には醪を酒袋に詰め、それを槽の中に並べて圧搾します。
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すると、槽口から清酒となって出てきます。 f:id:honshudo:20180222174919j:plain:w427

全国でも珍しい天秤搾りで、3日間掛けてゆっくり搾ります。 f:id:honshudo:20180222173512j:plain:w427

並行して、朝、麹室に引き込んだ蒸し米に麹菌の種付けします。
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あとは、次の仕込みの準備、午後の段取りなどをして昼食です。

12:00 昼食&昼寝。

13:30 出麹と言って麹室から麹を出して冷却、発酵を止めます。

麹屋さんはそのまま仲仕事など。

14:30 精米したお米を洗い、浸漬する作業をします。
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洗米が終わったあとは、粕離し、明日の段取りなどをします。

16:30 休憩

休憩を挟んで、各自が持ち場の作業をします。これは麹屋さんの仕舞仕事
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18:00 夕食&晩酌 一日お疲れさまでした〜

到着日は焼肉で歓迎してもらいました。写真は地元名物のとんちゃん

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蔵人の特権、しぼりたての新酒。オリンピック見ながらいただきます、旨いっ!

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通常は22時前には風呂に入って寝ているようですが、この日は遅くまで。。

ただ、杜氏さんと頭(かしら)さんは2、3時間毎に起きて、麹の積み替え、天秤の調整、翌日の段取りなどをします。日々、この繰り返しです。

こうした、細かな気づき、気遣いの積み重ねが美味しいお酒になる、と言うことを改めて体感できた1週間でした。ありがとうございました。

当然ながら『不老泉』の新しいお酒も仕入れましたので、ぜひご来店ください。

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左から、ソマテンの愛称で人気の杣の天狗(3240円)、燗にして美味しい紫ラベル(3402円)、完売間近の28BY渡船火入(3564円)、密かに人気の酒母四段(2765円)。
価格はすべて税込。サイズは一升瓶のみ。

今なら、お酒を購入してくださった方には、不老泉の酒粕を差し上げます。

お待ちしております!