五月公演の演目は『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』でした。
タイトルの意味は、妹背山(奈良県)と、女庭訓=女性が手本とするべき教訓(書物)、、
ん〜、何のことだかわかりませんね。一応、ざっと予習はしたんですが。
作者は、ちょうど一年前に観た『本朝廿四孝』と同じ、近松半二(正確には合作)。
本作も半二の傑作で、かの有名な『忠臣蔵』に次いで上演回数の多いとか。
ただ、観るのは気合いが必要で、全編鑑賞すると10時間近い大作です。
私は体力に自信がなかったので、この演目のハイライト、第二部のみ鑑賞しました。
ストーリーの大筋は、江戸時代より遥か昔、飛鳥時代の「大化の改新(乙巳の変)」。
中大兄皇子(天智天皇)、中臣鎌足らが、蘇我蝦夷・入鹿の親子を倒す話。
(写真:Wikipediaより)
と言っても、単純な勧善懲悪ではなく、身分や立場に翻弄される男女、特に女性の情愛や振る舞いにスポットを当てた話が中心。
ハイライトのひとつは、日本版ロミオとジュリエットなんてと呼ぶ人も。
(写真:日本芸術文化振興会HPより)
いわゆる、文楽には修練を積んだ太夫、三味線方、そして人形遣いの三者によって表現される情感を、ライブで鑑賞する醍醐味がありますが、
今回の演目は、半二が書いたとされる、対比や暗示など巧妙な脚本と、その演出も趣向を凝らしているところがあり、大変興味深かったです。
(写真:日本芸術文化振興会HPより)
また、機会を見つけて足を運びたいと思います。