ほんしゅ堂のブログ

東京都練馬区にある酒屋の店主ブログです。

文楽五月公演『妹背山婦女庭訓』

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内子座以来...久しぶりの鑑賞となった文楽

五月公演の演目は『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』でした。

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タイトルの意味は、妹背山(奈良県)と、女庭訓=女性が手本とするべき教訓(書物)、、

ん〜、何のことだかわかりませんね。一応、ざっと予習はしたんですが。

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作者は、ちょうど一年前に観た『本朝廿四孝』と同じ、近松半二(正確には合作)。

本作も半二の傑作で、かの有名な『忠臣蔵』に次いで上演回数の多いとか。

ただ、観るのは気合いが必要で、全編鑑賞すると10時間近い大作です。

私は体力に自信がなかったので、この演目のハイライト、第二部のみ鑑賞しました。

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ストーリーの大筋は、江戸時代より遥か昔、飛鳥時代の「大化の改新乙巳の変)」。

中大兄皇子天智天皇)、中臣鎌足らが、蘇我蝦夷・入鹿の親子を倒す話。

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(写真:Wikipediaより)

と言っても、単純な勧善懲悪ではなく、身分や立場に翻弄される男女、特に女性の情愛や振る舞いにスポットを当てた話が中心。

ハイライトのひとつは、日本版ロミオとジュリエットなんてと呼ぶ人も。

https://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/2019/5144.html
(写真:日本芸術文化振興会HPより)

いわゆる、文楽には修練を積んだ太夫、三味線方、そして人形遣い三者によって表現される情感を、ライブで鑑賞する醍醐味がありますが、

今回の演目は、半二が書いたとされる、対比や暗示など巧妙な脚本と、その演出も趣向を凝らしているところがあり、大変興味深かったです。

https://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/2019/5144.html
(写真:日本芸術文化振興会HPより)

また、機会を見つけて足を運びたいと思います。